皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。
日々のお勤め、そして生活、本当にお疲れ様です。
朝、本堂でお線香を上げながら、ふと考えました。
私たちは日々、たくさんの「願い事」を抱えて生きています。
「仕事で成果を出したい」
「大切な家族と健康に暮らしたい」
「もっと自分を変えたい」
「こうなりたい」「あれが欲しい」と願うことは、決して悪いことではありません。
前を向いて生きるための、とても尊いエネルギーです。
しかし、その願いが強すぎるあまり、心が焦りや不安で波立ってはいませんか?
「早く叶えなさい」と自分を追い詰め、イライラしてしまってはいないでしょうか。
仏教には、大切な心の教えがあります。
心が乱れたままでは、せっかくのエネルギーも空回りしてしまうのです。
まずは、自分を「整える」
仏教では、私たちの営みを「身・口・意(しん・く・い)」という3つで捉えます。
「からだ(身)」「言葉(口)」「こころ(意)」の3つです。
心が焦っているとき、私たちの呼吸は浅くなり、体にも余計な力が入っています。
そんなときこそ、一度立ち止まり、深く息を吐いて、吸う。
私はこれを、心を調えるための『心呼吸(しんこ呼吸)』と呼んでいます。
浅くなった呼吸を深く、静かに戻していく。
ただそれだけで、波立っていた心の水面が平らになり、今の自分を客観的に見つめ直すことができるようになります。
すべての願いを叶える土台は、まずこの「静寂」にあります。
そこにあるものに「感謝する」
心が静かに整ってくると、不思議と視野が広がります。
焦っているときは「足りないもの」「不足していること」ばかりに目がいきがちです。
しかし、心がクリアになると、
「今、すでに与えられている恵み」
が、おのずと見えてくるようになります。
今日もこうして息ができていること。
温かいご飯が食べられること。
自分を陰ながら支えてくれている誰かがいること。
「お陰様(おかげさま)」の存在に気づいたとき、私たちの心には自然と「感謝」が湧き起こります。
不満で満ちていた心が、感謝によって「今、すでに満たされている」という豊かな状態に変わるのです。
整った心から「行動する」
心が満たされた「そこから」、ようやく本当の行動が始まります。
焦りや不安から起こす行動は、ときに無理が生じ、自分も周囲もすり減らせてしまいます。
しかし、感謝から生まれる行動は、とてもしなやかで力強いものです。
願いを叶えるために、いきなり大きなことをする必要はありません。
- 目の前の人に、笑顔で挨拶をする
- 今日与えられた仕事を、丁寧にこなす
- 身の回りのものを、大切に扱う
感謝の手向けとして、目の前の小さな実践を重ねていく。
仏教でいう「功徳(くどく)の種まき」です。
願いは自然と花開く
自分を整え、感謝を胸に、目の前の一歩を丁寧に踏み出す。
この善い循環(因)を生きているとき、あなたの運命の歯車は確実に良い方向へと回り始めています。
焦らなくても、あなたの願いは最もふさわしいタイミングで、最も良い形で、自然と花開いていくはずです。
「早く、早く」と心が急ぎそうになったら、まずはスッと息を吐いて、お寺の仏様にその焦りを少しだけ預けてみてくださいね。
今日も皆さんの心が穏やかで、温かい光に満ちていますように。
合掌。